■昔ばなしの伝承 「昼間にむがし語れば鼠笑う」というたとえがあり、昼間の忙しい時間に昔ばなしを語れとせがまれた大人たちが、ことわる口実となっている。 子供らは、昔ばなしの上手な爺様婆様の家に出かけていき、「むかしコ、聞きにきた」と言うと、爺様婆様は、「むかしコ、あったど」という調子で語った。 これを、「むかしコ、聞きに歩ぐ」と表現した。 昔ばなしには一定の形式があって、津軽・下北の場合、話の発端は、「むがし」または「むがしあったど」で始まり、結末句は「とっちばれ」や「どっとはらい」「ねぇずってば」などで終る。 |
道南の語りの発端句も、「むがし」「むがしコ、あった」で始まるが、津軽・下北にみられるような一定の結末句はみられず、「だから人はまねするもんでね」と結ばれている。 相槌は、「それから」と次を促す形で進められることガ多い。 語り手の話の合間、合間に、「…のう、…あったど」といった言葉か入っていて、語りに独特の抑揚と方言のおもしろさがあり、ふしぎな魅力となってくる。 |
青森と南北海道の民話 |
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