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前回は光が空間をどう進むかってことを考えたんだよね。実はこれが立体的にものを見ることに大事な点なんだ。物体を記録するってことは、光の進む向きとどう関係するのか。説明を続けるよ。 まずは、普通の写真について。実は、普通の写真も「光が空間を進む」ってことが基本なんだ。 |
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チューリップの前にガラス板をおきます。 横から見るとこんな感じだよ。 |
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斜めから見ると、こんな感じ。 ガラス板の向こうにチューリップが見えます。 |
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正面から見るとこうなります。 向こう側にチューリップが見えますね。ここまではすごくかんたんだね。 |
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明かりを消して、ガラス板のところに感光材料を置きます。感光材料ってのは、光があたると変化するものだよ。普通の写真フィルムのこと。「かんこうざいりょう」と読みます。 まっくらだから何も見えません。手探りで感光材料を置きましょう。 |
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明かりをつける前に、感光材料に光があたるとどうなるか説明するよ。 感光材料(かんこうざいりょう)に左図のように光があてましょう。 感光材料には、光に反応する物質が塗られています。だから、光があたった部分だけ、化学反応します。 |
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これを化学処理して、光があたった部分だけが、その色になるようにします。この処理を現像(げんぞう)って言うんだ。 上のように光があたると左図のようになります。 ここで大事なのは、光がどこから飛んできたか関係ないってこと。感光材料にぶつかった部分だけに色がつきます。 |
(フィルムにはネガフィルムとリバーサルフィルムがありますが、この場合はどっちでも可。フィルムによって色の関係が変わるけど、ここの説明にはほとんど関係なし。写真にくわしい人は気になると思うので書いたけど、気にしないでね) |
さあ、これから部屋の明かりをつけましょう。つまり、これからチューリップの写真を撮ろうというわけ。ただしカメラなしで、直接撮ってみようということなんだ。うまく写るのかな?予想をたててごらん? a ちゃんと写る b ぼやっとだけど、いちおう写る c ぼやーとしたものが写る d 何も写らない では、さっそく明かりをつけましょう。 |
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カメラがないから、シャッターはありません。明かりをつけて横から見るとこんな感じになります。 |
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正面から見るとこう。 何秒か明かりをつけたら、また明かりを消して現像(げんぞう)します。 |
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現像も暗がりでやるんだよ。そうしないと撮影に関係ない光があたって変な写真になってしまうからね。 さあ、終わった。見てみよう。 |
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ありゃー?ぼやーとしているね。 チューリップと感光材料をくっつけるともう少し鮮明になるかもしれないけど、少しでも離れるとこんな感じになってしまいます。 つまり、正解は c でした。 |
やっぱり、カメラがないとちゃんと写らないみたいだね。しかも、ぼやーとしたものが奥に見えるのじゃなく、感光材料の部分がぼやーとして見えるんだ。つまり、立体像とぜんぜん違うし。 もうわかったから、そろそろ、ホログラムの説明に入って欲しいって?気持ちはわかるけど、立体に見えるってことはどういうことか、ちゃんと理解してもらわないと、、、。だから、もう少し待ってちょうだい。 さて、話を戻して、どうしてこんな感じにぼやーと写ったのか、光が進む向きってことをもとに考えてみましょう。 ということで、今回はここでおしまい。えっ、次はいつ書くのかって?また1年後じゃないだろうなって? ごめんごめん。今度は図もほとんどできているので、続きはすぐ書きます。本当です。楽しみに待ってちょうだいね。 |
初めて書いた日 2002年 3月 1日 著作権は有限会社アートナウにありますので、勝手に転載しないで下さい。 |