僕は、金属加工業でおまんまを食っている。
鉄を切ったり曲げたり削ったりくっつけたりして
機械の部品や建築金物を作ることを生業とする。
なにしろガキの頃から機械には目がない。
何かを作ってないとストレスがたまってしょうがないのだ。
時計との思い出もやはりガキの頃だ。

昔、居間の柱に時計がかかっていた。1時間ごとに
ガーン・ガーンと無遠慮にかねが鳴るやつだ。
いつかこれが壊れたら中がどうなっているのか分解してやろうと
心待ちにしていたのだがいつの日か大人になり時計は電池になっていた。

いつのころかわすれたが、ふたを開けて中を見て紙で作ってみた。
よく覚えていないがたぶんギザギザのガンギ車に
おもりを付けただけの振り子だったとおもう。
ところがどうやっても振り子は、推力を失い止まってしまう。
なぜ本当の時計は止らないのかと
機械オンチのおやじに尋ねると「ゼンマイがあるからだ」と一言でチョン。

ログハウス風車庫

数年前、手作りでログハウス風の車庫を建てた。
屋根裏には僕の隠れ家のロフトも作ったのでそこに昔の時計をかけたくなった。
どうせならログに合う全部木製時計を作りたくなった。
ガキの頃サジをなげたやつだ。
幸い五十近くになった今は、知識もある。
なによりも機械を作る機械があるのだ。
もっとも木材を削るべき機械ではないが。

かくして「LONG LONG AGO」の物語がはじまる。



「頭の中でまわる歯車」

「Long Long Ago」のやさしい音

「時を計る動物」