菊池楯衛

菊池楯衛は青森りんごの始祖である。
県庁勧業課の掛員として試植苗の分配にあたったことが、りんごと結びつく縁となったのであるが、もともと旧藩時代から果樹や花弁の栽培に熱心で、西洋りんごの素地を見抜き、これに傾倒していく素地を持っていたと考えられる。
士族の出ではあるが、高い家柄ではなかった。
藩学稽古館に学び、その後私塾麗沢堂に入り、その俊才を認められ塾頭を命じられた。
また、北海道七重試験場でアメリカ流接ぎ木法とりんご樹形の仕立て法等を学んだ。
弘前に帰り、旧藩の友人達と化育社を設立してりんご栽培をした。
全国から苗木や種子を集め、希望者に実費分与した。

(りんご百年史・りんごを拓いた人々から抜粋)

菊池楯衛氏の孫の一人が、元弘前大学農学部長の菊池卓郎氏(現京都在住)である。
先生はとかく感性で行われる整枝剪定を、学問的に解明された。その功績を讃え、青森県りんご協会は先生が退官した平成9年に木村甚弥賞を贈呈している。