戻る 日本海からの贈り物!「ホッケのすり身汁」 〜美味しく・手軽な・心温まる家庭料理〜

青森県西津軽郡鰺ヶ沢町企画財政課

 戦後、食べ物すらない時代、人々の飢えをしのいだ救世主がいる。それが「ホッケ」である。配給制という名のもとで、都会地の隅々に、あるいは山の中の奥地まで、国内、いたるところにホッケは運ばれていった。
 ホッケは北海道、東北海域を中心に生息し、一年中漁ができる。秋から冬にかけてが漁の最盛期であるが、脂ののっている春が特にうまい。主な調理法としては塩焼き、煮付け、照り焼き、開いた生干しが有名である。

 ここ鰺ヶ沢町ではそんなホッケをふんだんに使った料理「ホッケのすり身汁」がある。昭和30〜40年頃、赤ホッケという名で高値がつき、港を活気づかせていた頃から食べられ始めた料理である。その後、食糧事情が好転しホッケは大衆魚となったが、その味は、そんな時代を知らない世代にも受け継がれ、現在でも心温まる家庭料理として親しまれている。また、「鰺ヶ沢トライアスロン大会」や「魚魚の火祭り」では、五百人鍋に作ったホッケのすり身汁が参加者に振る舞われ、イベントには欠かせない食材となっている。

 今回、取材でお世話になった鰺ヶ沢漁協婦人部の皆さんも「すり身汁はホッケの鮮度が命なんだよ!」、「鰺ヶ沢のホッケだっきゃ、ほんとに美味しんだよ!」、「私たち活きのいいホッケしか使わねんだよ!」と味には自信満々。獲れたての新鮮な素材は、余分な調味料なしで、そのままの素朴な味がうけている。取り合わせとしては、豆腐とネギがポピュラーであるが、お勧めはアオサ、岩海苔、青海苔、ワカメ等の旬の海藻。すり身のプリプリした食感と海藻の風味がより一層舌を楽しませてくれる。

 全国各地で様々なすり身汁が食べられているが、「鰺ヶ沢のホッケのすり身汁はひと味違う。」と漁協婦人部のお墨付き。
 港町として栄えた鰺ヶ沢町。新鮮な魚介類はもちろん有名だが、最近は漁協婦人部が中心となって、加工商品の開発にも力を入れている。イカの沖漬け、イカ・タコの塩から、生干しイカの真空パック等があり、近隣のイベントに出店を頼まれることも度々である。その中でホッケのすり身も人気商品だが、最近研究に研究を重ね鰺ヶ沢名物として販売に成功させた、新鮮で脂ののった春ボッケを使った「ホッケ寿司」がお勧め。鰺ヶ沢にお越しの際は一度ご賞味下さい。

戻る ホッケのすり身汁 (醤油味)
■材料(5人分)
ホッケ…………………3本
卵………………………1個
片栗粉………………大さじ1杯
味噌…………………  〃
酒……………………  〃
醤油……………………少々
■作り方−
1)ホッケを3枚におろし、皮を取る。
2)身を細かく切り、すり鉢で粘りがでるまですりこむ。
3)味噌、酒、卵、片栗粉をすり鉢のホッケにまぜる。
4)沸騰した鍋に一口大にしておとし煮る。
5)すり身が浮き上がった頃に醤油で味付けをする。
6)旬の海藻と一緒に皿に盛る。