戻る 「ごっこ汁」 マグロの頭に匹敵する豊富なDHAを含む−受験生必食料理

北海道恵山町企画観光課長 小田千里

 ここ恵山町では、昔から冬の味覚としては、極めてポピュラーで美味な食べ物として親しまれている「ごっこ汁」。“ごっこ”つまり学名、「ホテイウオ」。図鑑を見ると、『ダンゴウオ科の魚で、普通100m〜200mの水深に生息する。日本には12月から2月にかけて、産卵のための親潮にのって太平洋を南下してくるが、黒潮の北上によって、恵山沿岸や内浦湾沿岸に多く分布する。』とある。

 腹に吸盤を持つこの奇妙奇天烈は魚は、たぶん10年くらい前までは函館の市場でも見られなかったと思う。この魚を見た瞬間は、とてもじゃないが食欲が沸く代物ではない。でも、“アンコウ”の例でもわかるとおり、旨い魚は見てくれが悪いのです。

 そして、科学的な成分分析の結果、たんぱく質や各種ビタミンのほかに、何と頭がよくなるという“DHA”が、多量に含まれていることが判ったのです。これは、受験生を抱える世のお母さん方は絶対見逃せません。

 恵山町の町おこしの中心グループ「恵山町青年団体連絡協議会」は、「こんな旨いものを自分達だけで食べていては誠に申し訳ない。ましてや、頭がよくなる、ボケ防止にもなる、みなさんに分かちあわなければ……。」ということで、平成3年から2月の第3日曜日に「恵山町ごっこまつり」を開催し、「ごっこ汁」「ごっこの生干し」などの無料試食を行い、存分にその味を堪能してもらうなど、消費拡大に努めている。

 その甲斐あってか、最近はスーパーでも鍋セットにして売っているのを見掛けるようになった。
 今後は、甘露煮にしたり、缶詰にしたり、いろいろやって恵山町の味として全国に広めたいと思う。

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■材料(7人分)
ごっこ、ごっこの卵…………………メス1匹
豆腐…………………………………1丁
長ネギ………………………………2本
じゃがいも………………………… 2個
ワカメまたは岩ノリ…………………100g
■作り方−
 「ごっこの調理方法」
@メスの場合は、腹を割いて卵と内臓を取り出す。
(オスはそのまま)
Aあらかじめ80℃以上の熱湯を用意しておき、くぐらす程度で取り出す。
B次に表面の皮を手でむくと黒っぽい皮が出てくる。
Cおろし方は頭と吸盤を切り取り2枚におろし、オスの場合は内臓を取り出す。(骨は軟骨なので3枚におろす必要はない。)
D2枚におろしたものを一口ぐらいに切り、ザルに上げておく。
E次に卵を軽くぬめりを取るために、2〜3回塩水でよく洗う。また、肝臓もきれいに洗ってザルに上げる。
 「ごっこ汁の料理方法」
@角切りにしたじゃがいもをナベに入れ、水を浸して火にかけ、ハシがとおるようになるまで煮る。
A次にコブか化学調味料でだしを取り、醤油と日本酒で味付けする。(みりんは避けたほうがよい。)
Bナベに具を入れる順番は、ごっこ、卵、豆腐、ワカメの順でアクを取りながら煮る。
Cできあがる寸前に長ネギを入れてごっこ汁の完成。