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北海道爾志郡熊石町企画課課長補佐 田畑 秀哉 「ままだよ〜(御飯ですよ)、ぐうぐど家さ入れ(早く家に戻りなさい)」 陸〔おか〕の方から、おふくろの声がする。朝起きて海に直行、日が幕れるまで海で遊ぶ。もちろんウニ・アワビを“おやつ”にしながら………。 昭和30年代 人口が1万人を少し越えていた頃、道南の小さな漁師町・熊石町のワンシーンである。 しかし、グルメ三昧への“お礼まいり”は強烈なものであった。 昭和52年から始まった200海里規制や日本海磯焼け現象等によってサケ、マス、イカ等漁獲量の減少が続き漁家経営が極めて厳しい状況にあるため、育てる漁業による沿岸(磯根)資源の増大を図ることが緊急課題となってきた。 昭和55年から熊石町水産対策協議会が前浜漁業を推進するための静穏域等漁場造成事業、昭和56年には北海道水産種苗センターを誘致し、アワビ種苗の生産を開始。 町は、昭和57年より温泉熱を利用したアワビの中間育成施設を整備し、30o人工種苗を海中放流した。 さらに平成2年には、アワビ中間育成施設より排出されている水温16℃の海水がアワビの飼育に適していることから、これを再利用するアワビ陸上養殖施設を整備し、30oのアワビを陸上で2年間飼育し、65o以上になったアワビを生産販売しております。 中間育成施設のアワビの生産量は約22万個でこのうち約35,000個はアワビ陸上養殖施設で養殖物として出荷されています。残りの約185,000個が海中養殖され天然物として出荷されています。 町立の国民宿舎「ひらたない荘」が全体の70%近くを占めており、お客様から好評を得ております。 また、平成7年にアワビの高級食材を活かした「熊石あわびの里フェスティバル」を開催したところ5,000人を越える集客があり、今年は、町人口の倍以上の10,000人を越える観光客が来場し、漁業振興の期待とアワビを食材とした商業者の普及、活性化が図られる結果となりました。 今後、新たな観光をすすめるうえで、リピーターを定着させるためのホスピタリティ(もてなし)の向上が最重点と考え、「アワビ様」の逆鱗に触れぬよう地域振興の推進をしていきたいと考えています。 |
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■作り方− @米は洗ってざるに上げる。ごぼうは洗い軽く皮をこそげ取り、ささがきにし水に浸す。5分ほど浸してアクを 抜き、ザルに上げて水けをよくきる。にんじんごぼうと同様にささがきにする(水にはさらさない)。あわび、 ほたて各1個 は殻から外し、小さく切る。 A釜に米を入れ、だし汁、調味料@を加えさっと混ぜ、@の具を加え、しゃもじで米と具を混ぜ、表面を平らに ならして炊く。 B綿糸卵を作る。卵に砂糖、酒、塩を加え、よく混ぜる。フライパンにサラダ油を薄く塗って中火で熱し、卵を 流し入 れる。手早くフライパンを傾けながら回し、卵をフライパンの底に均一に広げて少し焼く。全体が固 まったらまわり を箸ではがし、箸1本を卵の下に入れ、中央から持ち上げるようにして裏返す。 裏側もさっと焼いて冷まし、 幅3〜4pに切り、端から細切りにする。 C調味料Aを沸騰させ飾り用のあわび、ほたて、えびを入れ、30分ほどつけておく。かにはゆでて殻を取り、 身を ほぐす。三つ葉はざく切りにする。 Dご飯が炊きあがったら、B、C、紅しょうがをのせ、さらに10分ほど蒸らす。 |