| (1)自然条件 |
1.位置、地形 青函圏域は、北海道南部の道南地域と本州最北部の青森県とが津軽海峡を間に挟んで形成している地域です。
道南地域は、三方を海に囲まれ、渡島山地を主軸として内浦湾を囲む長い海岸線と、大沼、恵山などの火山地形に特色があります。また、奥尻島や渡島大島などの島嶼もあります。
青森県は、県中央部を貫く奥羽山脈を境に、東部は台地や海岸段丘が広がり、西部は津軽平野の洪積低地と出羽山地が大部分を占めています。
圏域の平野部は、函館平野、青森平野、津軽平野が主となっています。
2.気候 圏域は、北海道南部と本州北部に位置していることや、日本海と太平洋に面している地理的
位置から、若干の地域差はあるものの、総じて冷涼で短い夏と低温で長い冬が特色で、特に、
日本海側に面する地域の冬は、季節風の影響を受け風の強い地域でもあります。
また、太平洋側では春から夏にかけて偏東風(ヤマセ)のため、低温の日が多くなります。
道南地域は北海道の中では最も温暖な地域ですが、松前半島では日本海と太平洋側から暖湿
気が入りやすい地形のため、道内有数の降雨量の多い地域でもあります。
青森県は日本海側は雪が多いものの、春から夏にかけては温暖であり、一方、太平洋側は比
較的雪が少なく、冬は晴れる日が多くなっています。
| 区分 |
平均気温(℃) |
相対湿度(%) |
降水量(mm) |
日照時間(h) |
降雪深さ(cm) |
| 函館市 |
8.5 |
76 |
1,155 |
1,771 |
296 |
| 青森市 |
9.7 |
76 |
1,360 |
1,694 |
809 |
[1961〜1990年の平年値による:函館海洋気象台] |
3.面積
(km2)
| 区 分 |
面 積 |
構 成 |
| 道南地域 |
6,565 |
1.74 |
| 青森県 |
9,606 |
2.54 |
| 青函圏域 |
16,171 |
4.28 |
| 全 国 |
377,864 |
100.0 |
[平成10年10月現在;国土地理院] |
圏域の面積は、道南地域が6,565平方キロメートル、青森県が9,606平方キロメートルで、合わ
せると16,171平方キロメートルで、国土面積の4.3%を占め、東北の中で一番広い岩手県
(15,278)を上回り、四国に匹敵する広い面積となっています。
道南地域と青森県との面積比率は約4:6となっています。
|
| (2) 社会条件 |
1.人口
[人口]
(千人)
| 区 分 |
S60 |
H12 |
対比 |
| 道南地域 |
575 |
517 |
89.8 |
| 青森県 |
1,524 |
1,476 |
96.8 |
| 青函圏域 |
2,099 |
1,992 |
94.9 |
| 全 国 |
121,049 |
126,919 |
104.8 |
[国勢調査数値] |
[高齢化率]
(%)
| 区分 |
S60 |
H11 |
対比 |
| 道南地域 |
11.4 |
19.8 |
+8.4 |
| 青森県 |
10.4 |
18.2 |
+7.8 |
| 青函圏域 |
10.7 |
18.6 |
+7.9 |
| 全 国 |
10.3 |
15.7 |
+5.4 |
[S60は国勢調査値、H11はH11.3.31現在の住民基本台帳人口(全国はH9.10.1現在の推計値)]
|
青函圏域の人口は、約1,992千人で全国総人口の約1.6%を占め、道南地域と青森県の構成比率は約3:7なっています。
人口10万人以上の都市は、函館市288千人、青森市298千人、八戸市242千人、弘前市177千人の4都市で、その合計は1,005千人で圏域人口の半数を占めています。
人口の推移では、青函トンネル開通前と比較すると全国の4.8%増加に比べ、青函圏域では5.1%減少しており、特に道南地域では10.2%減少しているなど、過疎化が顕著となっています。
また、年齢構成でも、全国的な少子・高齢化の中で本圏域も例外ではなく、高齢化率は18.6%と、全国平均に比べ高齢化が進行している状況となっています。
圏域の人口密度(人/km2)は120人で、全国平均の340人に対して約1/3となっており、過疎化
が進んでいる地域ですが、反面、大都市に住む人たちから見れば、この恵まれた豊かな自然環境の中で暮らしている私たちは、贅沢な生活環境にあるとも言えます。
2.産業
[産業別就労者数の構成] (%)
| 区 分 |
一次産業 |
二次産業 |
三次産業 |
| 道南地域 |
11.0 |
25.0 |
64.0 |
| 青森県 |
16.9 |
25.1 |
58.0 |
| 青函圏域 |
15.4 |
25.1 |
59.5 |
| 全 国 |
6.0 |
31.6 |
61.8 |
[H7国勢調査数値] |
青函圏域の産業は、産業別就業者数の構成比でみると、一次産業のウエイトが全国平均に比べ2.6倍で、特に青森県は全国一高くなっており、農林水産業が主体の地域と言えます。
また、昭和60年と平成7年の10年間の推移では、一次産業が約6ポイント低下し二次・三次産業がそれぞれ約3ポイント上昇しています。
●農業
[農業粗生産額](億円、%)
| 区分 |
S60 |
H11 |
対比 |
| 道南地域 |
601 |
530 |
88.2 |
| 青森県 |
3,408 |
2,776 |
81.5 |
| 青函圏域 |
4,009 |
3,306 |
82.5 |
| 全 国 |
115,546 |
94,718 |
82.0 |
[農林水産統計] |
圏域の農業は、農業粗生産額で全国の3.5%を占めていますが、全国と同様に減少してきています。
耕種の生産額では道南地域、青森県とも米・野菜が上位を占め、道南地域ではいも類、青森県ではりんごを中心とした果実の生産額が高くなっています。
青森県では、ながいも、にんにく、なたね、りんごが全国一の収穫量を誇っており、道南地域では、ねぎ、きゅうり、にら、カーネーションなどが全道一の作付けとなっています。
●林業
[現況森林面積](千ha)
| 区 分 |
計 |
内国有林 |
内民有林 |
| 道南地域 |
519 |
246 |
273 |
| 青森県 |
623 |
382 |
241 |
| 青函圏域 |
1,142 |
628 |
514 |
| 全 国 |
24,621 |
7,301 |
17,320 |
[農林水産統計] |
圏域の林業は、森林面積が全国の4.6%と国土面積割合とほぼ同程度ですが、国有林の占める割合が55%と全国平均の30%を大きく上まわっています。主要樹種は両地域ともスギ、ヒバ、ブナで、特
に道南地域は北海道の中でも青森県と類似した森林
形態にあります。地域ではスギのブランド化を図るため、枝打ち等の良質材生産に努めています。
特色としては、生態系の保持や水源かん養機能が高い貴重な資源であるブナの生育地であり、特に青森県と秋田県にまたがる白神山地の大規模なブナ原生林は、平成5年に世界遺産として登録されています。
●水産業
[漁業生産額](億円、%)
| 区 分 |
S60 |
H11 |
対比 |
| 道南地域 |
729 |
589 |
80.8 |
| 青森県 |
1,107 |
758 |
68.5 |
| 青函圏域 |
1,836 |
1,347 |
73.3 |
| 全 国 |
27,141 |
18,570 |
68.4 |
[農林水産統計] |
圏域の水産業は、漁業生産額で全国の7.3%を占めていますが、海洋環境の変化や漁業資源の減少輸入品の増大等の影響を受け減少してきています。
主要魚種では、道南地域、青森県とも三方が海に囲まれ、また湾を擁しているという共通性から、ともにホタテ、イカ、コンブが生産額の上位を占めています。
なお、青森県のヒラメ、イカ、ワカサギ、シラウオの漁獲量は全国一となっており、また、道南地域の漁業生産額は北海道全体の2割を占めています。
●製造業
[製造品出荷額] (百億円、%)
| 区分 |
S60 |
H11 |
対比 |
| 道南地域 |
43 |
52 |
120.9 |
| 青森県 |
103 |
135 |
131.0 |
| 青函圏域 |
146 |
187 |
128.1 |
| 全 国 |
|
29,140 |
|
[工業統計調査] |
圏域の製造業は、製造品出荷額は順調に伸びていますが、全国の1%に満たない現状にあります。
業種では、道南地域、青森県とも豊富な農水産物を原材料とした食料品製造業が盛んで、それぞれの地域の製造品出荷額の中でともに1位を占めていますが、道南地域では飲料・飼料等、窯業・土石製造が上位にあるのに対し、青森県では、電気機械、パルプ・紙の製造比率が高くなっています。
また、両地域には、それぞれテクノポリス開発計画に基づいて、地域特性を活かした創造的高度技術産業等の集積を進めており、最近では情報通信分野の先端産業の企業立地が進んできています。
●商業
[商品販売額](百億円、%)
| 区 分 |
S63 |
H11 |
対 比 |
| 道南地域 |
136 |
143 |
105.1 |
| 青森県 |
332 |
410 |
123.5 |
| 青函圏域 |
468 |
553 |
118.1 |
| 全 国 |
56,132 |
63,929 |
113.9 |
[商業統計調査] |
圏域の商業は、商品販売額では伸びているものの全国の1%に満たない現状にあります。
また、都市部や都市周辺への大型店の進出により既存の小売業の顧客シェアが縮小傾向にあるなど、商店街の近代化による活性化への取り組みが進められています。
なお、人口10万人当たりのコンビニエンスストア数では青森県が全国一となっています。
●観光
[観光入込客](百万人、%)
| 区 分 |
H 2 |
H12 |
対 比 |
| 道南地域 |
12 |
14 |
116.7 |
| 青 森 県 |
37 |
42 |
113.5 |
| 青函圏域 |
49 |
56 |
114.3 |
|
圏域の観光は、豊かな自然、異国情緒や日本古来の息づきを感じさせる街並み、伝統的な祭り、数多くの温泉など多様な観光資源を活かした青函広域観光ルートづくりや各種イベントの実施などにより、圏域への観光客の入込数は年々増加してきています。
特に、函館山の夜景や青森ねぶた祭りなどは古くから世界的にも有名ですが、よさこいソーラン踊りや函館クリスマスファンタジーなどの新たなイベントや、貴重な縄文遺跡を有効に活用した体
験観光なども着実に定着してきています。
また、最近においてはマイナス要因とされていた「冬・雪・しばれ」などを体験するため、台湾をはじめとする東南アジアを中心とした外国人観光客の入込みが急増しています。
●交通基盤 圏域の交通基盤は、新幹線や高速道路等の高規格幹線道路の整備が全国に比べ遅れています。
新幹線は、東北新幹線が新青森駅までの早期開業に向けて着工されていますが、北海道新幹
線は青函トンネルが新幹線規格で整備されてはいるものの、まだ工事の槌音が聞こえていません。
高規格道路網では、道南では北海道縦貫自動車道や函館江差自動車道、松前半島道路、渡島
半島横断道路等が一部供用になっていますが、全線開通の時期は決まっておらず、また、青森
県では東北自動車道(弘前線)の全線が、また、同八戸線、弘前黒石IC連絡道路の一部が開
通しているほか、津軽自動車道、八戸・久慈自動車道が整備中ですが、県都青森市と八戸市を
結ぶ東北縦貫自動車道八戸線の全線開通の時期は決まっていません。
航路では、函館・青森間と函館・大間間の二航路で結ばれていますが、福島・三厩間のフェ
リーや函館・青森間の高速フェリー運休など、圏域間の高速交通体系は十分といえない状況に
あります。
空路では、函館空港と青森空港に、函館・ユジノサハリンスク間、青森・ソ
ウル間、青森・ハバロフスク間の3路線が就航し、最近では、函館・天津間、函館・台湾間、
青森・上海間の国際チャーター便の就航が相次いで就航していることから、新たな国際航路の
開設も期待されています。
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