障がい者がスポーツ熱戦

(東奥日報新聞「明鏡欄」掲載:2024.9.12)
 

  陸上競技を中心種目にした第32回青森県障がい者スポーツ大会が8月25日、青森市の新青森県総合運動公園陸上競技場で開かれた。観客は少なかったが、出場選手を鼓舞するアナウンスが響き、グラウンドでは熱戦が繰り広げられた。
  会場で入手したパンフレットによると、今年の全国障害者スポーツ大会は佐賀県で開催。「新しい大会へ。すべての人に、スポーツの力」をメインメッセージに掲げ、障がいがある人も、そうでない人もすべての人にスポーツの力を届ける新しい大会を目指している、という。
  汗をかいた後の爽快感。仲間意識の醸成、チャレンジ精神の養成、そして達成感。これらを体感できるのがスポーツの力だ。スポーツ競技観戦は楽しい。しかし、障がいがありながら、ひたむきに競技に挑戦する姿は、さらに心に響く。
  障がい者は健常者が暮らす社会構造の中で不自由な生活を強いられている。好きで障がい者になる者は一人もいない。しかも、自分がいつ障がい者になるかも分からない。だから、障がい者を「かわいそう」と感じるのはおかしい。障がい者に対する無知、偏見、不安という意識が差別を生む温床になる。大会で多くの人々に勇気と希望を与えてくれた選手たちと関係者へ、ありがとうございました。