訴追委員会・弾劾裁判所・高裁判事罷免
元仙台高裁判事岡口喜一裁判官、訴追委員会の訴追を受けた弾劾裁判所で罷免された。これは法曹資格事態が剥奪されるというのだ。
そもそも、最高裁判所が訴追請求していない様な事由が「裁判官としての威信を著しく失うべき非行」(裁判官弾劾法2条2号)に該当するのか。とても疑問である。私は、罷免に反対である。
加えて、本件を通じて次の様なことを感じた。
まず、裁判官に「市民的自由」は必要不可欠である。多様な社会の紛争を時代に合わせて適切に処理する為には、社会常識が欠かせないと考えるからだ。
この点、裁判官が居酒屋に立ち寄っている姿を見かけたという話を聞いたことがない。しかし、ドイツの裁判官は居酒屋に立ち寄っている姿は珍しい事ではないという。
次に、立法、行政に携わる国会議員が「弾劾裁判所」の役割を担うのは無理がないだろうか。事実認定は証拠によって認定されなければならない。彼等はこの様な所作に精通しているとは思えないからだ。
更に、弾劾裁判所の判決に対して不服申し立て方法がないことだ。制度の理不尽さを感じる。
本件は、立法、行政に比べ国民から最も遠い存在である司法をとても身近なものにしてくれた。