教職は魅力を失ったか
資源の乏しい我が国において人材の育成は重要課題である。その際、「教育の力」に待つところが大きい。
ところが、4月6日付東奥日報紙に「教員採用試験 県教委 受験者増へ負担軽減」の見出しが躍った。昨年度の小学校教員採用試験の最終倍率は1.1倍と低迷しているという。これは憂いる事態である。
しかし、教職は既に魅力を失っているのでは。この核心部分にメスを入れないと受験者の負担経験で受験者数増加は望めないと考える。
教職が魅力を失った主因は、放課後対面で子どもの話を「聴く」時間が殆どとれないことだと考えている。これは、教員にとっても辛い。子ども達の成長過程に大きな影響を及ぼすからだ。
「教員は子ども達と向き合ってなんぼの世界である」。語るのは著名な大学教授である。
混沌とした時代である。内面的価値、つまり誠実さ、優しさ、共感、信頼等が高まるばかりだ。
先日、地元の戸山中学校教頭と電話で話す機会があった。テーマは「手の掛かる子ども」について。教員の成長にこれ以上の教材はない。主因は「寂しさ」と推測する、と私見を述べた。多忙の折り笑顔で誠実に対応する姿に感嘆した。