「ちっ!」

 

  10万人に一人という難病を公表した俳優さん、9月17日付Yahoo!ニュースで知った。彼は次の様なことを語っている。いる。
  「バスで障害者手帳を運転手に提示したところ、後ろの高齢者の男性乗客から「ちっ!」と舌打ちされ、『早くしろよ』等の言葉をかけられた」
  「タクシーの運転手に手帳を持っていると伝えたところ、『思いっきり舌打ち』された」
  彼等はなぜ「ちっ!」という汚い日本語を吐いたのか。思うに、弱者を見下すことで優生思想的考え(マウンティング思考)を満たしたい。その為には、抗う力の弱い障がい者は好都合である。勿論、障がい者がなぜ不自由な生活を強いられているのか。彼等は知ろうともしない。それは、健常者用のフィールドを強いられているからである。
  彼等は「自信」を失っている。自信のある人は他人と比較し自分を測ろうとしないからだ。しかも、悲しいことに何時自分が障がい者側に廻るかも知れないという視点が欠落していることだ。
  憲法25条「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定する。障がい者手帳の提示は彼の権利である。
  本事例は「立場の互換性」つまり、相手の立場や利害にも思いを致すという弱点を浮き彫りにした。

 以 上