異文化を尊重する精神

 

  3月28日付yahooニュース。「黒人ルーツの髪型『校則違反』と卒業式で席隔離 兵庫県の県立高」3年の男子生徒が卒業生の席に着席することを認めず、他の生徒がいない2階席に隔離したというのだ。生徒は日本人の母親と米国籍の父親。
  これは、多様性を認める精神とは真逆である。確かに、学校は一定の規律の存在が予定されている。しかし、そもそも自由とは他人を害しない全てのことを成しうることにある。髪型の自由は13条後段の幸福追求権の内容として人権として保障されるものと考える。
  ところで、本件は本来の髪型の自由とは趣が異なる。黒人文化に従っただけであるからだ。父親は「ルーツとする髪型を理由無く違反と決めつけることは差別ではないか」と批判する。得心する。
  本件は、日本人気質が露呈した。つまり、「普通」を好み、周りと違うことを好まない気質である。源泉は農耕民族と狩猟民族との違いからか。
  「花は一輪でも美しい。デモ花束は形や色の違った花々がお互いを引き立て合っているからもっと美しい」(堀内都喜子著:「フィンランド豊かさのメソッド」引用)。
  異文化に触れる機会を学校自らが放棄してしまった。とても残念である。

以 上