県知事選で何を見たか
県知事選、23万票差は何を物語るのか。県民はコロナ禍で疲弊している。現状の流れを変えれば今より暮らしが楽になるかも知れないと思ったとしても不思議ではない。この空気が23万票差に表れたのでは。
この点、小野寺氏の主張する三村県政の正しい継承は右空気とは真逆である。彼の実績、手続の重視、誠実さ等は右空気に飲み込まれてしまった。空気が論理を駆逐したという印象である。
空気と対極にあるのが日本人の重い病と言われる「個の確立」である。これは、自分が生きたいように生きる為には欠かせない。
ところが、私達は子どもの頃から人と同じ様に生きるメリットを叩き込まれてきた。これでは、自分で考え、行動し、その結果に対して責任を取るという「個の確立」は難しい。
「フランスでは人との違いがなくなることが、日本では人と違ってしまうことが苦悩の中心となっているケースが多かったのです」(加賀乙彦著「不幸な国の幸福論」より引用)。これは、農耕民族と言われる日本人の宿命なのだろうか。
空気はとかく「思考停止」に陥りやすい。混迷する時代、「個の確立」の重要性は高まるばかりだ。23万票差を教訓としたい。
以 上