人の力を借りる力

 

 2015年の12月15日電通の社員だった高橋まつりさんが自社ビルの寮から飛び降り自殺したことをYahoo!ニュースで知った。同ニュースによれば、一ヶ月に100時間を超える残業や上司からの悪質なパワハラ、精神的にも肉体的にも追い詰められた結果とあった。
  瞬時にまたかという感想が過ぎった。電通は過去に「過労死」認定の判決があったからだ(最高裁第2小法廷平成12年3月24日判決)。国内最大の広告代理店はなぜこの2000年判決を教訓に出来なかったのか。何か企業体質に問題があるのだろうか。
  一方、「我慢せずSOSを」。これは彼女にとって東大合格よりも難しかったのでは。人の力を借りる力に価値を置いていたら、との思いは募る。
  国内最大の広告代理店は世界に誇れる民主企業であってほしい。社会資源の乏しい我が国において人材は貴重である。悔やまれる。

以 上