法の支配

 

  ロシアのウクライナ侵攻、無垢な人々が大勢犠牲になっている。ロシア国が「法の支配」を取り入れていればウクライナの惨状は防げたのでは。そんな思いは強い。
 民主主義を制限することもある「法の支配」、専断的な国家権力の支配(人の支配)を排斥し、権力を法で拘束することによって、国民の権利・自由擁護することを目的とする英米法の根幹をなす原理である。
  次の記述は具体的で分かりやすい。紹介したい。「当初は統治機構に民主主義を取り入れれば人権保障が全う出来ると考えた。しかし、ドイツ、ナチズム・イタリア、ファシズムの台頭で民主的に選ばれた権力者が人権侵害をするようになった。また、『人の支配』のもとでは、『人権を保障する』と言ってみても、理由がなくても、権力者は恣意的に「人権侵害できることになってしまう危険性がある。よって、その時々での多数意思も歯止めをかける必要がある。登場したのが『法の支配』という考え方である」(伊藤塾塾長・弁護士伊藤真の講演資料より)。
  人権保障に欠かせない法の支配。日本国憲法は直言していない。しかし、法の支配の考え方が鏤められている。代表格は憲法の最高法規制(98条)である。
 

以 上