古川選手よ目標に頑張れ
(東奥日報新聞「明鏡欄」掲載:2022.6.8)
5月28日付の東奥日報新聞に次の見出しが躍っていた。「県高校総体・定時制陸上第1日 特別支援学校女子32年ぶり 古川(青森聾)やり投げ入賞」。彼女にとって、これは大きな自信になったに違いない。自信は、幸せな生活を手に入れるには大きな武器になる。例えば、人と比較しない。小さい喜びを大切にする。これらは自信から派生するものと考える。
私の孫は、聾学校高等部3年である。医師から、孫は「耳が聞こえません」と宣告された時、家族はパニックに陥った。百聞は一見に如かずである。私は、ろう教育視察のため、社会福祉の先進国フィンランド、スウェーデンへ飛んだ。学んだのは聾者に対する社会の向き合い方である。日本は「かわいそう」、あちらは「いつ自分もそちらへ回るかも知れない」である。この違いが施策として表れる。ホテルで朝のニュースを見たら、手話通訳者が通訳をしていた。これは普通の光景だという。
古川選手の目標はデフリンピック出場である。他国の文化に触れることは、さらに自信になるに違いない。精進を重ね、ぜひ目標を達成して欲しい。その際は一緒に喜びたい。
以 上