「疑わしきは罰せず」 駐日ロシア大使言及


  哀愁漂うウクライナ民謡「キーウの鳥の歌」。青の空と黄色の麦畑を表すウクライナの国旗。似ても似つかぬウクライナの惨状。逃げ惑う女性、子供、高齢者。学校、病院、高層アパートへの砲撃。そして、次々と明らかになる残虐行為。目を覆うばかりだ。
  ところで、戦況は連日の様に伝わってくる。しかし、「ロシアは2月24日前に戻れ」という論評に触れることが少ない。とても不思議である。
  そんな中、ジャーナリストの金平茂紀氏がミハイル・ガルージン駐日ロシア大使にインタビューした様子を4月9日放送のTBS「報道特集」で見た。
  驚くことばかりであった。特に驚いたのは同大使が「疑わしきは罰せず」という刑事訴訟法の原則を引用したことだ。つまり、同大使はロシアの軍事侵攻によるウクライナの惨状について「疑わしい」という視点に立っているのだ。これは、自由、民主主義国家で生きる私たちには理解を超える。
  ウクライナの惨状は対岸の火事ではない。我が国はウクライナ同様ロシアの隣国であるからだ。核使用をちらつかせるロシア、強さを求めるばかりに盲目になってしまったか。
  「ロシアは2月24日前に戻れ」という国際世論の形成に日本はリーダー的役割を果たすべきである。

以 上