少数派の声


  東奥日報紙1月11日付「マナビ ロゴス」に立命館大准教授富永恭子さんの選択肢を広げる少数派の声、意見、違和感伝えよという論考があった。
  論者は「誰もが生きやすい社会には多様な選択肢は欠かせない」と強調する。その為には、多様性認める精神の土壌は欠かせない。そして、多様な選択肢から選択する際、他者の評価を気にしないことが大切であると考える。
  また、「今の若者は『他人を傷つけたくない』『自分も傷つけられたくない』という感覚が鋭敏だ。周囲と衝突しないよう、自分の意見を引っ込め防御してしまう」と指摘する。
  この光景は健全ではない。民主主義の根底を揺るがしかねないからだ。民主主義は多様な意見が前提。しかも多数意見は正しいとは限らない。
  しかも、「自己肯定感」が醸成されている人は意見の違いを「衝突」とは言わない。「意見が異なる」という。
  確かに、「自己肯定感」の醸成に「個」の弱さが立ちはだかる。しかし、自己肯定感を高めないと多様性認める精神の醸成は難しい。また、他人と比較しない「自分は自分でいいんだ」という自信の取得は望めないと考える。
  コロナ禍に覆われ閉塞感が漂う。だからこそ小さな喜びを大切にする感性を高めたい。その際、「自己肯定感」が大きな役割を果たしてくれる気がする。