思いやりと笑顔

(東奥日報新聞「明鏡欄」掲載:2022.1.18)

  「思いやり」と「笑顔」。「安堵感」を与える意味では共通。思いやりはさらに「感動」を与える。これらは、AI(人工頭脳)、ロボット時代の到来によって、さらに輝きを増すと予測している。AI、ロボットで代替え出来ないからだ。
  対極にあるのが、「今だけ、金だけ、自分だけ」良ければいいという発想である。これは、コロナ禍の影響でさらに強まった感がある。その結果、「思いやり」や「笑顔」の高い子ども達が生きづらさを感じている事を見逃してはならない。
  確かに、彼等はレースの様な人生に馴染めない。しかし、「思いやり」や「笑顔」はその人の強みである。その強みを軸に他人と比較しない「自分は自分でいいんだ」と主体的に生き、生きづらさを払拭して欲しい。
  思いやりが減少している世の中はギシギシし、余裕のない社会である。私はその様な社会を望まない。社会のあらゆる場面において、「思いやり」や「笑顔」で相手に接することが出来る子ども達が正当に評価される社会を望んでいる。
  箱根駅伝青学2年ぶり総合V大会新、スマイル(笑顔)を強調する監督。「笑顔」に潜んでいる力は計り知れない、ということだろうか。スポーツ界に変化の兆しを感じる。