自律心の重要性

  不透明、不確かな時代である。しかも長寿社会である。「自律心」の重要性は増すばかりである。つまり、自分で考え、判断し、行動する、その結果について責任をとる、という構図である。
  私は、「自律心」の育成は教育の原点であると考えている。失敗して教訓、上手くいって感動。この繰り返しが人間成長の源泉と考えるからである。
  ところが、子ども達は失敗を恐れ、親御さんは世相に翻弄され子どもを見守ってあげられない。指示・強制はするが、子どもを信頼することが後退、悪循環を繰り返している。遊びの効用、雑談の効用を忘れたかのようだ。
  本来子ども1人でも育つ。私はそう考えている。個性的な子どもはこちらの方が育つかも知れない。親の価値観で子どもの個性が潰されることが少ないと考えるからだ。
  「受験勉強も、仕事も、普段の生活もあらゆることは、保障されていません。何事があっても慌てず、焦らず、諦めず、一歩一歩目標に向かって努力を続けていくしかないのです」。これは、不世出と評される伊藤塾塾長・弁護士伊藤真が述べたものである。「永遠に生きるかのように学べよ」(ガンジー)と理解する。
  「人は、年を重ねただけでは老いない。理想や情熱や希望を失ったときに、初めて老いがくる」。好きな言葉である。
  子どもを改善させたいなら、まず親御さんが改善を図らねばならない。肝に銘じ自問自答している。