自信は子どもの将来決める

(東奥日報新聞「明鏡欄」掲載:2021.7.2)

  「自信は子どもの将来を決める」。この言葉に共鳴する。子どもに自信を身に付けさせる二は「励ましてあげる、丸ごと褒める」ことだという(「子どもが育つ魔法の言葉」PHP発行)。ところが、欠点は突くが、励まし、褒めることが苦手な社会風土が立ちはだかる。この様な光景は、私が生まれてこの間何も変わっていない。かえってコロナ禍の影響もあってか、「指示・強制」が優先している感さえある。これでは子どもは萎縮するばかりである。
  ところで、以下の様な事例で励まし、褒めることが出来るでしょうか。@学校のテストで100点満点中、毎回、毎回、20点をとってくるA毎回自発的に採点要旨を両親に見せるB風の日も雨の日も雪の日も学校を休むことはない。個性を生きる礎としているか否かによって評価は異なるのでは。つまり、つまり、個性派の人は事例は全て褒める対象である。没個性派の人は従順さを美徳とし批判を恐れ、事例@に批判が集中、ABは死角に入るのではないだろうか。
  長所のない人間はいない。悲しいのは、欠点ばかり言われている子どもは自分に自信を持つことは難しい。その結果、主体的に生きることが中々出来ない。これは、社会の将来の発展にとって大きな損失である。今、大人達の個性が試されている。