言葉の力
出口の見えない新型コロナウイルスの感染拡大。平時はさておき。異常時にあたって強いメッセージを発信出来ない為政者。紙に頼り、言葉に力がない菅総理。「都民ファースト」「東京アラート」等と言葉を弄ぶ小池都知事。言葉が響かない点で共通する。
そもそも、我が国において「言葉の力」を無視、ないし軽視する社会風土が根強い。しかし、言葉の力は為政者の生命線であると考える。例えば、「過去に目をつぶる者は現在にも盲目である」(ワイツゼッカー元ドイツ大統領)。「勇気がなければ他のすべての資質は意味をなさない」(チャーチル元イギリス首相)。
昨今、政治家から「汗をかく」という言葉をめっきり聞かなくなった。汗をかくだけでは政治の進化が望めないと気付いたのだろうか。だが、知性・理性・合理性に価値をおく言葉を聞くこともない。憲法を無視ないし軽視する政治姿勢に立憲民主主義の危機を感じる。
出口の見えない新型コロナウイルスの感染拡大。人権保障の為に存在する民主主義に押し寄せる風雪は強まるばかりである。
政治のレベルは選ぶ側のレベル以上にはならないという。民主主義は一人一人の考える力が前提である、ということを忘れない様にしたい。