ユマニチュード


  東奥日報新聞23日付、介護事業所の職員による高齢者虐待最多更新、と報じている。本紙は以前「よこそユマニチュードの世界へ」という記事を掲載していた。ユマニチュードとはフランス語で包括的ケアメソッドの一つ。『人間らしさ』」という意味。特に、高齢者と認知症において有用とされ、フランスで開発されて35年以上の歴史を持つ。
  「『関係性』を意識して」「『してあげる』の悲劇」という二つの記事を読んだ。後者については得心である。が、前者については目から鱗が落ちる思いである。
  以下は、「関係性」についての掲載主旨である。
  「良いケアをするには、まず関係性に意識を向けるべきです。それが『ケアの中心は関係性』という意味である。何をしよう、してあげようではなく、良い関係をつくろうと考える」。
  この「関係性」は、憲法の基軸である13条前段「すべての国民は個人として尊敬される」と重なる。しかし、私達はこの条文を学校教育でしっかり学んでこなかった。
  「世話をしてあげる」「世話をして貰う」という構図からの脱却を図らない限り、介護事業所職員による高齢者虐待はなくならないだろう。
  私は、介護施設入所予備軍である。ユマニチュードの実現が待ち遠しい。