個性を尊重した生き方
東奥日報新聞10月30日付つがる市森田養護高等部1年山本風花さん願いを込めて絵本という見出しがあった。個性を尊重した生き方を受け入れる世の中になって欲しい、との願いを絵本に込めたという。
私は、障害の有無に関わらず子ども達から「個性を尊重した生き方」等という言葉を一度も聞いたことがない。障害を乗り越え主体的に生きようとする姿。彼女の気概の高さに感嘆する。
憲法13条前段「すべての国民は個人として尊重される」と規定する。ところが、「個人」とか「個性」という言葉に対するイメージが未だに「わがまま」と同視する傾向が強い。その結果、個性は自分らしさであり、幸せの源泉である、という精神風土が中々根付かない。
これを裏付ける様な記述がある。「不幸な国の幸福論」の著者精神科医加賀乙彦は「個の確立」を求めている。また、日本人は人と違って悩む、フランス人は人と同じで悩む傾向があると記している。
個性を尊重した生き方を受け入れる世の中の実現には、一人一人が「自分は自分でいいんだ」という自信を持ち、人の違いを受け入れる土壌が求められる。
その為には、山本さんの様な主体的な生き方をする人間、つまり「個の確立」を目指す人間が1人でも増えることだ。