優生思想的な考え


  鈴木静愛媛大学教授は、優生思想的な考えが実は誰の中にもあるのではないか、と指摘する(法学館憲法研究所・「今週の一言」より)。
 
  確かに、優生思想的な考えは身の回りに蔓延している。例えば、学歴、職歴に縋り付く面々。身近なところでは、被介護者に対する介護職員。相談者に対する児童相談所職員。問合せに木で鼻をくくる様な対応をする保健所職員。障がい者に対して可哀想と思う健常者。枚挙に暇がない。共通しているのは、相手に「寄り添う力」の低さである。

  私は、優生思想的な考えは自分に自信のない現れと考えている。「自分は自分でいいんだ」という自信が持てず、他人と比較しないと自分を測れなくなってしまう。その際、自分を支えてくれるのが優生思想的な考え、マウンティング思考である。

  確かに、私達は集団性、同調性の強い農耕民族である。故に「個」の確立は難しいかも知れない。しかし、私は「個」の確立は幸せの礎と考えている。人の違いを認め合い、自分らしく生きることが出来ると考えるからだ。優生思想的な考え方とは真逆の方向である。
  フランス人は「人と同じ」を恐れて心を病む。日本人は「人と違って」を恐れて心を病む(「加賀乙彦著「不幸な国の幸福論」)。これは日本人の「個」の弱さを如実に現している。