自律心を阻む「スポーツの部活」


  私は、教育の原点は「自律」する力を身に付けさせることにある、と考えている。主体的に生きる力と言い換えてもいい。これは、社会の中でよりよく生きて行くためには大事なことであると考えるからだ。
  ところが、「スポーツの部活」は教育の原点とは真逆のことをしている様で不安が募る。そこで、教育の原点という灯りを「スポーツの部活」に当ててみた。
  勝利至上主義が子ども達の自律心の萌芽を摘んでいないだろうか。個性を潰し、角を削いでいないだろうか。子ども達を人と比較して評価していないだろうか。監督が主役になっていないだろうか。スポーツの部活と日常社会との間に乖離が起きていないだろうか。
  指示・強制がなければ何も出来ない子どもに育っては元も子もない。勝つことは目標であっても目的ではない。民主主義は手段であって目的ではない、という構図に良く似ている。
  そこで、学校が、保護者が、教育の原点を常に検証することはとても大事なことと考える。
  自律心は教訓と感動を与え、その繰り返しが「自信」に繋がると考えている。不透明な時代、かつ長寿社会を生き抜くためには「自信」が不可欠である、と築79年になって身に染みる。