民主主義のプロセスがなぜ重要なのか


 NHKドキュメント映画「アンネフランク」を2夜に亘って観た。とても感慨深かった。私は14年前になるが、アウシュヴィッツ強制収容所記念博物館・アンネフランクハウスを視察したことがある。
  ナチス・ドイツによる600万人とも言われる大量虐殺。凶器の沙汰とした言いようがないことが民主主義によって行われたのだ。なぜこの様なことが可能であったのか。
  国家統治を権力者の一存で国家の重大な決定が行われるか、権力者の意思ではなく、あらかじめ定められた「法」によって行われるか、の違いにあった。学問的には前者を「人の支配」、後者を「法の支配」と呼んでいる。ナチス・ドイツは前者を選択、民主主義のプロセスを形骸化してしまった。
  以下は、不世出と評される伊藤塾塾長・弁護士伊藤真「塾長雑感」からの転用である。
  「人間は弱い、不完全な生き物であるが故に、上手くいかないこと、失敗することが当たり前であることを前提にしなければなりません。そして、何が正しいか分からない、やってみなければ分からないからこそ、透明性、説明責任、少数意見、反対意見の尊重など民主主義のプロセスが重視されなければなりません。日々の生活の中でも、こうした憲法の英知を活かしていきたいと思います。」