「属性」を誇りにしない
(東奥日報新聞「明鏡欄」掲載:2020.10.2)
私は、人と比べて自分を測ることはしない。自分は自分。他人は他人という考え方である。高校、大学、母校は大好きだ。とても懐かしい。だが、誇りにすることはない。マウンティング思考、つまり優生思想的な考えに陥ることが怖いからだ。憲法は最高価値として「個人の尊重」(13条前段)を掲げる。思うに、これは一人一人違って当たり前という社会を目指す。このことが人間の幸せに最も大切なことであると考えたからだ。優生思想的な考えとは真逆の構図である。しかも持って生まれた才能は偶然であろう。だとすれば、傲慢さを避け、弱者に寄り添える人間を目指したい。
一方、私は「言葉の力」を心の支えにしてきた。例えば、「明日の自分は今日創る」「個にして弧ならず」「人は、年を重ねるだけでは老いない。理想や情熱や希望を失ったときに、初めて老いがくる」「一人一人の力は微力だが、無力ではない」「勇気がなければ、他の全ての資質は意味をなさない」など。
さらには「成功することは素晴らしい。成功しなくても、成長することはもっと素晴らしい」「心は行動を決め、行動は心を変える」「覇者とは、最初にテープを切った者ではない。自分の限界に挑戦した者をいう」「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べよ」。これらの言葉を大切にしたい。