聾学生よ勇気を持て
「聞くは一時の恥、聞かぬは末代の恥」。確かに、これは聾学生に特化した話ではない。しかし、聾者に常に寄り添うことは難しい。社会は「分からない点は聞いて下さい」なのだ。だから、聞く積極性を健常者以上に身に付けて欲しい。
確かに、健常者が自分たちに都合のいい社会構造を創っておきながら、聴覚障がい者を「可哀想」とか「暗い」はおかしい。つまり、健常者は君たちに無知に等しいのだ。
加えて、未だに根強い「聴覚障がい者は能力が低い」という潜入観念。人を能力で判断するのではなく、障害の有無によって判断する、という理不尽さ。
そこで、共生社会の実現に自らが抱えている問題を社会へ発信する積極性が求められる。その際、哀れみを施され、恩恵的発想を辿って来た歴史から、人権を主張する発想への転換は重要だ。勇気が求められるところだ。
親御さんへお願い。「守ってあげれば、子どもは強い子に育つ」「励ましてあげれば、子どもは自信を持つようになる」(「子どもが育つ魔法の言葉」発行所PHP)。
同時に、健常者もいつ少数派に廻るかも知れないという発想は重要だ。このことは、福祉国家と言われる北方を視察して強く感じた。
県春季陸上選手会場に「背中を見るな、背中を見せよ」という横断幕が掲げられていた。君たちの言動が誰もが生きやすい社会づくりになるかも知れない。自信を持って一緒に頑張ろう。