自治会班長選び巡り精神疾患者自殺
〜集団性の怖さ〜
日本人の人権意識の低さを浮き彫りにした事件。愕然とした。市営住宅で同じフロアの住民の中から、くじ引きで自治会の次期班長を選ぶ際に悲惨な事件が起きた。知的障害や精神障害のある大阪市平野地区の男性、当時36歳が自殺した。遺族は提訴した。
7月31日付報道による訴状の主な内容は
・本人は、自治会側に「精神の病気で班長は出来ない」と伝えた。
・当時の班長から「得意別扱いは出来ない」と告げられた。
・自治会の会長、班長、福祉協議会の関係者と面談。
・その際、次の様な文書作成を2時間に亘り強要され、班長を決める集まりを開く際にその文書を他の住民に見せることを伝えられた。
@障害があること
A金の計算ができないこと。
B自転車に乗れること
男性は文書を作成した翌日自宅で自殺した。
私は、次の2点に注目した。一つは、自治会側が「特別扱いは出来ない」と告げながら、障がい者を健常者と同じに扱う、という特別扱いをしていることである。
もう一つは、3対1という構図である。悲劇的なのは、3人に男性の人権を侵害したという意識が欠落していることだ。民主主義は人権侵害に使うものではない。
平穏に一人暮らしをしていた36歳の男性。人格を根こそぎ踏みにじられ、悔しさは計り知れない。犯した罪は重い。謝罪をし、罪を償うべきである。