他人の力を借りる力
人間は一人では生きていけない。後期高齢者になった今、今まで以上に他人の力を借りる力は欠かせない。ところが、他者の力を借りる力は如何にして身に付くのか。
思うに、他者と比較しない。「自分は自分でいいんだ」という「個」の確立している人間は、他者の力を借りる力が高いのではと考えている。なぜなら、「自分は自分でいいんだ」という自信が人との違いを受け入れる原動力となり、利他主義的行動を促す。この構造が他者の力を借りる力を醸成する気がするからだ。
とすれば、「個」の確立が鍵を握る。その為には、「自律心」の涵養は欠かせないと考えている。そこは、教訓と感動の宝庫であるからだ。失敗して教訓、上手くいって感動。この繰り返しが「個」を鍛えると考えられるからだ。
ところが、私達は家庭、学校を通じて従順さを求められてきた。これでは、「自分は自分でいいんだ」という自信が芽生えることは難しい。
「個にして弧ならず」。これは著名な憲法学者が述べたものだ。しかし、後期高齢者を待ち受けている風景が「個なくして弧あり」ではあまりにも淋しい。より一層「個」を鍛え、他者の力を借り、100歳時代を乗り切りたい。
以 上