木で鼻をくくった対応
東奥日報6月17日明鏡欄「青森市保健所の誠実さ欠く対応」を読んだ。以下は同明鏡欄より一部転用である。
「電話に出た方に『発熱が続いているので相談したいのですが・・・』と説明を始めた途端、相手の方は私の話を一方的に遮り、『14日以内に県外へ出かけた』とか『最近、海外渡航歴はあるか』など、いかにもマニュアル通りで杓子定規な質問攻め。
こちらの話は一向に聞かず、最後に『青森には感染者がいないから、PCR検査は必要ない』と言い切りました。」
「不安な市民に対して木で鼻をくくった様な対応は納得出来ません。」
読んだ感想は、仕事に対する緊張感の一欠片も感じさせない。市民をナメているという印象が強い。背景は相当深刻である、職員の「自信喪失感」が漂っているからだ。
本件は、男性が女性に対して、公務員が民間人に対して、潜在的に抱いている優生思想的な考えの現れとみる。これは、人と比べてしか自分を測れない人間にとって陥り易い欠陥かも知れない。そして、人の話を最後まで聞かない。一方的にしゃべり出す。これは、自分に自信がない人の常套手段である。質問を封殺する狙いがあるからだ。
最大の人権は生命である。暮らしを激変。強権化も予想される新型コロナウイルス。人間の生命に直結する喫緊の課題である。人権意識が業務にどの程度反映されているのかとても疑問である。
人権侵害を経験した職員は多くないと考える。「不快な思いをさせたことに対して深くお詫び申し上げます」等という公開は不要。必要なのは職員の「人権」に関する学習である。「自律心」の涵養である。これらは、一朝一夕で身に付くものではない。学習の積み重ねが大事である。
以 上