人間は弱い

 学習で得た知識はいくつになっても嬉しいものだ。最近ようやく分かったことがある。なぜ透明性、説明責任、少数意見、反対意見の尊重など民主主義のプロセスが重視されなければならないのか。
  以下は、不世出と評される伊藤塾塾長・弁護士伊藤真「塾長雑感」からの抜粋である。
  「人間は弱い、不完全な生き物であるが故に、上手くいかないこと、失敗することが当たり前であることを前提にしなければなりません。そして、何が正しいか分からない、やってみなければ分からないからこそ、透明性、説明責任、少数意見、反対意見の尊重など民主主義のプロセスが重視されなければなりません。日々の生活の中でも、こうした憲法の叡智を活かしていきたいと思います」。
  ところが、「人間は弱い、不完全な生き物である」という前提に立つことは難しい。自己否定感に陥る危険性と背中合わせである為、勇気が必要と考えられるからだ。一般人がこの領域に到達するには相当の学習と経験が必要なのかも知れない。
  「明日死ぬかのように生きよ、永遠に生きるかのように学べよ」。ガンジーが述べた言葉、高齢になって身に染みる。

以 上