聴覚障がい者の役割

 「青森市手話言語の普及及び多様な意思疎通の促進に関する条例」(令和2年4月1日施行)を広報あおもりで知った。
  関連して聾者の意見が掲載されていた。「嬉しいです」「助かります」「いいなと思います」。健聴者の先行行為を期待、自分を抑えて生きてきた姿が窺える。
  確かに、聾者が不自由な生活を強いられているのは、社会の構造が平均的男子を想定して作られているからである。聾者が健聴者に先行行為を期待するのは、自然の流れかも知れない。しかし、健聴者は聾者に対して殆ど無知に等しい。そして、聾者に対する偏見・差別は無知に起因していると考えられる。
  だとすれば、市民及び事業者の協力を得、共生社会の実現に至るには、まず「無知」の払拭に努めなければならない。その為には、障がい者の先行行為がとても効果的と考えている。つまり、周りの仲間に自分から入っていく。自分から話しかける。筆談用具を準備する。少しの勇気が必要かも知れない。
  「心が行動を決め、行動は心を変える」。これは、私の好きな言葉の一つである。通信機器の発達は日進月歩である。聾者の先行行為によって、今まで見たことのない光景が見られるに違いない。

以 上