従順強制許されぬ強烈メッセージ

(東奥日報新聞「明鏡欄」掲載:2020.2.13)

 東奥日報4月7日付掲載専修大学教授「指標」「従順の強制許さぬ」に強烈なメッセージがあった。
  「コロナ禍を克服しても民主主義が壊れてしまっては意味がない。命と自由をトレードオフするのではなく、どちらも守る闘いが、今、始まっている」。
  私は、新型コロナウイルスの感染者数、死亡者数のみに目を奪われていた。すっかり思考停止に陥り、全体の空気にのまれていた。
  自由権は、先人の知と汗と英知の結晶である。日本では戦後、戦没者310万人とも言われる犠牲の下に手に入れたものだ。緊急事態宣言が出たことで精神的自由、経済的自由が大きく規制されることになる。
  そこで、権力を監視し、批判し、改善を要求するスタンスをより一層強めなければならないと考えている。
  この点、同教授は「偽政者は一度手にした権力を手放さないものだ。一旦、個人の自由を制限する権利を有すれば、どんどん拡がる可能性があっても、元に戻すのは至難の業だ」と強調する。これは人類の教訓である。
  確かに、この国難の時に政府を批判して何になる、という声もあろう。しかし、国や権力は批判の対象である。そうでなければ民主主義は成り立たない。

以 上