癒やされる空間


 私は、腰痛のため青森県立盲学校臨床室を利用することがある。いつも感心するのが教師と生徒の会話である。双方とも視覚障がい者である。
  とにかく、指導する教師の声が柔らかい。優しい。指導を受ける生徒の真摯な姿勢。濃く淡い光が差し込んでいる様な教育的空間を醸し出す。とても癒やされる。
  最近担当した女性の外形は健常者と何ら変わるところがない。ところが、目は全く見えないというのだ。患者に寄り添う力とマッサージの技術力に感服した。彼女の人生に幸多かれと願わずにはいられない。
  私は、常々次のことを忘れてはならないと考えている。障がい者が不自由な生活を強いられているのは健常者側に責任があると。「可哀想」は差別語であること。

以 上