一生懸命の危うさ

  「一生懸命」。この言葉には人間の成長に立ちはだかる魔物が潜んでいる。問題は、「一生懸命」な人は他者から評価を得ている故に、学習する力が弱いことだ。
  彼等の「思考回路」は「一生懸命」に始まり「一生懸命」で終わるという構造である。だから、批判に対しては激怒する。
  しかし、「一生懸命」は手段であって目的ではない。ところが、いつの間にか「一生懸命」が評価の核心部分になり、評価する側も評価される側も「目的」を見失う弊害に陥る。
  思うに、「一生懸命」が売りの人間は成長したいという意識が薄い様だ。その結果、「個」が育たない。「自律心」が育たない。「自信」が持てない。さらに、内面的価値、つまり愛情、共感、信頼等が低いことだ。
  危惧するのは、「目的に目をつぶる者は事に盲目である」ということだ。

  以 上