老後の幸せ感を決定づける主体性
心身共に健康な高齢者に共通しているのは、他人と比較するのではなく、主体的に生きている人達だ。彼等は、自分に自信を持っているから属性に縋り付かない。
一方、他人と比較する人生観は他人の評価が気になり、定年時には相当疲弊しているはずだ。
ところが、主体的に生きる。言うほど簡単ではない。「個人の尊厳」を基軸にする日本国憲法を制定して70年余、未だに少数派なのだ。まだまだ自信のある人の成せる業である。しかも、受験学力では身に付かない代物である。しかし、教育の力に待つところが大きい。
定年後、元気に過ごせるか否かの分岐点は、それまで主体的に生きてきたか否かにかかっている様に考えている。「自分に自信がもてない」ことが老後不安の温床になっていないか。他人と比較する人生観からは、自信回復は難しい。
老後は余生ではなく、凜とした高齢者を目指したい。生きがいを感じながら人生を送りたい。その為には「主体的」に生きることは欠かせないと考えている。
確かに、主体的に生きることは日本の社会風土の中では、まだまだ勇気が必要かも知れない。しかし、子、孫達の為にも自分の生き様を見えるようにしたいと考えている。築78年、その思いは強まるばかりだ。
以 上