名誉欲は老後の不安を解消できるか
最近、「顧問」とやらがやたらと目に付く。いわゆる名誉職である。組織に縋り付く面々の背景に老後不安があるのだろうか。
ところで、名誉欲は老後不安を軽減ないし解消してくれるのだろうか。私は、逆に不安が募ると見ている。名誉欲とは、他人から良い評価を受けることによって、優越感を得ることが出来る欲。背景に「優生思想的な考え」がある。これは、自分に自信がないことの現れである。そして、名誉欲と一生懸命が一体となった場合、自信の萌芽が出る堆肥は生まれない。老後不安は募るばかりである。
そして、自分に自信がないと、どうしても他人と比較する人生観が忍び寄ってくる。しかし、他者と比較する人生観は、何時までも何処まで行っても自分に「自信」が持てない。その反動として「名誉」が欲しくなる。そして、一旦名誉を取得すると離れようとしないのが特徴である。自己中は若者の特権とばかり思っていた。長寿社会が色濃く反映しているのだろうか。一生懸命は手段であって目的ではないはずだ。高齢者が名誉欲を強め、手段が目的化する悪循環のスパイラルに貢献していると映る。
その様な面々が組織を形成する場合、組織が機能不全に陥る危険性を秘めている。組織は群化し、形骸化が進むからだ。
私は、人からどう思われようが、自分の人生に全く影響しない、という発想は老後に特に大事なことと考えている。つまり、「自律心」の涵養である。
以 上