〜背中を見るな 背中を見せろ〜

  これは、青森県春季陸上競技選手権大会が開催された県営陸上競技場に掲げられていた横断幕である。掲げている高等学校は県内屈指のスポーツ強豪校である。
  このスローガンは、同競技場から外、つまり一歩社会へ出ても強い輝きを放つ。不透明、不確かな時代。加えて寿命が100歳時代を迎えようとしている。スローガンの灯りは益々社会を照らす予感を感じる。
  スローガンの意味は、個を鍛え、主体的な生き方を意味すると考える。つまり、自律心の涵養である、これは教育の原点であると考えている。
  ではなぜ、この様なスローガンを掲げたのだろうか。
  思うに、「社会の中でより良く生きていける様にする」為に掲げたと考えられる。和して動ぜず。個にして弧ならず。これらは、心身共に元気を維持する元祖である。これらの人の背中はとてもよく見える。
  また、「自律心」を鍛えている人の背中は見える。利他主義で生きている人の背中も分かり易い。他者の評価を気にして生きていない為か、とても凜としている。
  一方、背中を見て欲しい輩はうんざりするほど目に付く。他者の評価がとても気になる面々である。「自分は自分でいいんだ」という価値基準がないと、どうしても他者と比較しないと自分を測れない。これは、自信を失っている証である。典型的なのは、レースの様な人生を歩んできた人達だ。背中を見せるなど程遠い話である。
  〜背中を見るな 背中を見せろ〜というのは、結構難しい話である。背中を見せるには、主体的に生きることが求められるからだ。ところが、私達は幼少の頃から人と同じ様に生きることのメリットを叩き込まれてきている。「自律心」の重要性を殆ど教えられてこなかった。その様な状況は現在も何も変わっていない。勿論、受験学力で身に付く代物でもない。
  ですが、「社会の中でより良く生きていける様にする」為に大きな力になることは間違いないと考える。


 

  以 上