ブレーキをかけるメカニズムに欠ける日本人気質
公務員の不祥事は後を絶たない。「勤労統計不正問題」。「統計」に不正があっては、適切な行政運営は成り立たない。そんなことはお構いなしということだろうか。その背景に見えてくるのは、保身の為にはなりふり構わない日本人気質があるようだ。
・「皆さんがそうしています」という言葉に魔法の様にかかり易い国民性。
・「和をもって貴し」。波風を立てないことを美徳とする社会風土。
・行動する際の価値基準が「善悪」という観客的基準より、共同体において「迷惑をかけない」「迷惑をかける」という主観的基準。
・年甲斐もなく
これらは、一朝一夕で出来たものではない。だから岩盤のごとく厚く堅い。しかも、「忖度」という文化により一段と開花した様だ。
これはもはや癌ではないのか。他の細胞を死滅させ、自らの細胞も死滅する。この病理に等しい。ところが、公務員には倒産の心配がないのだ。ここに公務員の不祥事が後を絶たないヒントが潜んでいる、と見る。
20年前近くにこの様な事象を既に予見していた人がいた。知日派の米ジャーナリストで知識人フランク・ギブニー氏である。彼は、2001年8月15日NHKテレビ番組で次の様に述べている。
「確かに、日本は戦後表向きは大きく変わった様に見える。しかし、今でも積極的に一歩前へ踏み出して、これはおかしいと言おうとしない気質があります。日本には、ブレーキをかけるメカニズムが欠けているのではないかと思います。それは悲劇的欠点です」。
今、その悲劇的欠点が日本中を席巻している。これに比べ、卑しい人間はまだましなのかも知れない。他者を貶め、自分を癒やしているに過ぎないからだ。
以 上