法の運用者、立法趣旨理解出来ず
熱海市にある「姫の沢自然の家」が聴覚障害者の宿泊を断っていた。報道で知った。またか、との思いだ。このケースが後を絶たないのは何故だろうか。特に今回見逃せないのは、施設の管理者が教育委員会であることだ。
まず、彼等は手話の光景を殆ど見たことがない。つまり、聴覚障害者に「無知」なのだ。無知は偏見を生み、偏見は不安を募る。この構造からの脱却が出来ていないのだ。そして、この構造に拍車をかける「否定後」を多用する国民性。
熱海市は、障害者差別解消法の趣旨を改めて理解し、全職員に徹底する様指示を出したという。しかし、だいじなことは全職員に指示することではない。「無知」を「知」に変換することである。その為に何をすべきかを考え実践することである。この際、立ちはだかるのが健常者の「マウンティング」思考であある。
その一方で、障害者側からの啓蒙活動をより一層強化する必要性があるのではないか。取材に応じた幹事の方は、「断らないで下さい」と述べていた。そうではなく、「なぜ断るのですか」と問い質すことが大事かと考える。
この積み重ねが「無知」の解消に繋がる考えられるからだ。
「障害者差別解消法」が施行されて既に2年。法の趣旨の啓蒙を測る行政手段に限界があるのでは。再考を促したい。健常者の「無知」は「障害者差別解消法」では解消できない。
以 上