子どもの心が離れる 〜典型的な親〜 (T)
「子どもは受け入れて貰ったと感じることで、初めて優しい気持ちや生きる力が生まれる」。私は、子育てはこのフレーズに尽きると考えている。
「我が子が非行に走り、毎日何とかしようと子どもに向き合えば合うほど、どんどん子どもの心が離れていきました」。という寄稿文に触れた。
子どもの心がなぜ離れていったか。この短いフレーズがすべてを教えてくれる。「毎日何とかしようと」は、子どもを受け入れるのではなく、自分に合わせようとしているだけに過ぎない。とすると、「毎日何とかしようと」すればするほど、子どもの心は離れていく。これは自然の成り行きである。
「子どもに向き合えば向き合うほど」は、物理的に対面しているに過ぎず、精神的に何も向き合っていないのだ。親が一方的に喋っているに過ぎない。子どもに向き合うとは、子どもの話を聴くということである。
ところで、この型にはまりやすいタイプがある。有数の進学校の出身で大学も出ている。そして教員。この条件が揃えば、子育てフレーズの実践は難しい。なぜなら、このタイプはとかく属性を支えに生きようとする傾向が強い。その為、指示、強制は出来ても「子どもを受け入れる」等という発想は生まれないからだ。
以 上