他者の力を借りる力


  人間は一人では生きていけない。この命題に抗うものはいない。では、なぜ「他人の力を借りる力」が育まれないのか。他者の評価を支えに生きている人が如何に多いことか。人は如何に「自立心」と無縁に生きていることか。と言い換えることもできる。彼等にとって「他者の力を借りる力」は逆効果になる為、無用であるからだ。
  校長になりたい。支店長になりたい。官庁の部長、課長になりたい。しかし、属性に縋り付いて生きるには、定年後は長すぎる。しかも、自立する生き方と違い人間の成長を阻む。
  他社の力を借りる力は、「出来ることは自分で行い」がキーワードの様な気がする。「出来ることは自分で行い」の範囲が広い人、つまり、利他主義で広げていく人は他社の力を借りる力が醸成される様な気がするのだ。
  平均寿命90歳を迎えようとしている。定年後の道は知力、体力が劣ってから歩く道である。「他者の力を借りる力」を鍛えておく必要性を痛感する。 

以 上