100歳にして青春
「人は、年を重ねるだけでは老いない。理想や情熱や希望を失った時に、はじめて老いが来る」。この言葉を実践しているかの様な100歳近い人がいる。
耳が少し遠くなったというが、病院、買い物、全て単独行動である。背筋を伸ばした歩き方は全く老いを感じない。
知的障害者支援事業を運営する傍ら、年3回発行の広報誌に掲載する執筆活動。一回の寄稿文は毎回原稿用紙9枚〜10枚にも及び力作である。内容は強靱な「強さ」と、弱者、少数者に対する「愛情」に満ち溢れている。その情熱は衰えを見せない。
「明日の自分は今日作る」。情熱を燃やし続ける源流は若いときの生き方にあったのでは。一言で言えば、「自立心」を基軸にした生き様にあったのでは。それは日々格闘であり、感動と教訓の連続であったに違いない。つまり、「個にして弧ならず」の生き方である。他者に媚びることなく、他人の評価に無縁に生き、損得ではなく善悪。利己主義ではなく利他主義。そんな生き方を続けてこられたのでは、と想像する。
他人の評価を支えにレースの様な人生を歩んできた人達は、どうしても疲れが出てくるのだろう。背筋の伸びない高齢者が目に付くことが多い。
何時までも凜として、背筋を伸ばす人生を歩むための人生訓が詰まっている様に映る。
以 上