孤立に追い込む親達(U)
〜聴く力は子どもの自立心を育む〜


  なぜ、この様な講演を始めたのか。
  格差社会の拡がりが親の不安を強め、親の過干渉が蔓延。子どもがやることを親がやり、親がやるべきことを親がやりません。
  すべては「子どもの為」という一括りで子どもと向き合おうとしない親が蔓延しています。指示・強制が全てです。子どもを評価の対象とするが、共感の対象に出来ない。そこに会話は不存在、親の一方通行です。時間がないのではありません。時間を作らないだけなのです。
  これは親にとって最も楽な方法です。言ってもやらないのだからそれは親の責任ではない、と言い逃れが出来るからです。これは、「木」に「立」って「見」る親業を放棄していると宣言しているに等しい。そこには、愛情の一欠片も見受けられません。この様な親に限って、子どもの為に一生懸命尽くしたという余韻があるから厄介です。これは悲劇的です。
  子どもから学ぶという意識が微塵もなく、子どもと向き合うことが怖い。向き合う勇気がない。つまり、子どもから逃げているのです。この様な親に限って愛情と子どもの物欲を満たすことと履き違えます。2002年に始めた講演。家庭環境は悪化するばかりです。
  子どもを追いやってはなりません。そのツケは全て親に跳ね返り、社会へ跳ね返ってくるからです。すべては学校の教科からは学び得ないことばかりです。
  私自身、既述の様な考え方が確立したのは、不世出と評される伊藤真弁護士との出会いに始まり、憲法講義を受けてからのことです。既に50歳を過ぎていました。学びには新しい発見があります。お互いに学び、成長していきたいものです。

2018年9月

以 上