裁判官の独立の意義について
〜高齢者の生き方示唆〜

  以下は、「違憲訴訟の会ニュースNO.10」(発行:安保法制違憲訴訟の会)からの抜粋である。
  裁判官の意義について、平成10年12月1日最高裁判所大法廷決定(民集52巻9号1761頁)の中で河合伸一裁判官は次の様に述べていることが注目される。

  「(憲法76条3項は)個々の裁判官が裁判するについての自主独立性を言明するものである。裁判官は、不断に考究し、謙虚な自省を重ねつつ、自己の裁判官としての良心に従って職務を行うのである。その裁判官の職務は、事実を確定し、憲法以下の法令を適用して裁判をすることであるが、現代の複雑かつ変化を続ける社会においてこれを適切に行うためには、単に法律や先例の文面を負うのみでは足りないのであって、裁判官は、裁判所の外の事象にも常に積極的な関心を絶やさず、広い視野をもってこれを理解し、高い識見を備える努力を続けなくてはならない。このような、自主、独立して、積極的な気概を持つ裁判官を一つの理想像とするならば、司法行政上の監督権の行使、殊に懲戒権の発動はできる限り差し控え、誰の目にも当然と見えるほどの場合に限るとすることが、そのような裁判官を育て、あるいは守ることに資するものと信じるのである」。

  なんと勇気が出る言葉の数々。高齢者の生き方を示唆しているかのようだ。

以 上