開会式で「過程」の重要性を説く

  第100回全国高等学校野球選手権記念青森県大会。朝日新聞青森支局長の挨拶は際立っていた。開会式という大舞台で「過程」、つまりプロセスの重要性を淡々と語った。青少年の健全な育成に取り組む朝日新聞社の意気込みを感じた。
  「勝者のみが賞賛の対象であれば、全国参加校数3781校の内1校のみである。そうではない。勝利を目指す『過程』に価値があるのである。その過程に挑戦している選手一人一人に価値があるのである。」この様な熱いメッセージを聞くのは久しぶりである。
  高校野球は教育の一環。教育の目的は、「自立心」の涵養である。つまり、「自分で考え行動し、結果に対して責任を取る」という構造である。これは、自分らしい生き方、つまり主体的な生き方を貫く為には欠かせない。
  「自立心」の涵養に自信は重要である。「やりきった。清々しい気分だ」。この感動は選手達の自信に繋がる。その過程において失敗は教訓となり、上手くいって感動がある。この繰り返しが「自信」に繋がると考えられるからだ。
  この世に保障されているものが無いとすれば、不安・孤独感は尽きない。だからこそ、自分らしい生き方が求められよう。定年後に待ち構えている孤独感・孤立感。「自立心」を鍛えておく必要性を高齢になって分かった。

以 上