スポーツが人生を作る

  「スポーツが人生を作る」。孫と一緒に金メダリスト小平奈緒選手の講演を聴きに行った。
  大舞台で度々「生き方」という言葉を発する同選手に強い関心を寄せていた。スポーツにより人生を絶つ人はいるが、人生を作る等という発想に触れることがなかったからだ。
  聴講して感じたのは、彼女の探究心の旺盛さである。大学教授であるコーチが彼女の探究心に火を点けたのでは。そして、2年間のオランダ留学。加えて、父親のスポーツ音痴。彼女の探究心を阻むものが無かった様だ。
  中学2年生の孫は、人工内耳を装着しているものの殆ど聞き取れなかったようだ。だが、一生懸命メモを取っていた。会場を出た時は「良かった」を連発していた。小平選手のオーラが伝わった様だ。
  同選手の結語は響いた。「何かを成し遂げられる人は少ないかも知れないが、『やり遂げられる』という達成感はみんなが持てる。頑張れる一瞬一瞬を自分らしく生き抜いて欲しい」。この世に保障されているものが無いとすれば、不安・孤独感は尽きない。だからこそ、自分らしい生き方が求められよう。特に定年後は、評価してくれる人はいない。職場でのレースもない。待ち構えているのは孤独感・孤立感だ。元気なうちにコツコツ鍛えておく必要性を痛感した。
  彼女の人生観は更に磨かれ、続きを見せてくれることを楽しみにしたい。